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特別支援学校高等部3年間をふりかえって 歌舞伎ジャーナル 第108号 [歌舞伎ジャーナル]

 梓が亡くなって半年以上経過しましたが、気持ちの整理はまだまだです。そんな中、過去を振り返ってみたとき、カブキジャーナル第104号で中学校生活をあらゆる角度から検証していました。それに倣いまとめてみる事にしました。

第1章 医療に関すること

 
1.高等部3年間での「歌舞伎症候群」原因究明の進捗状況

 
まず、遺伝子レベルでの原因が「MLL2遺伝子の変異」が発表され、次に「KDM6A遺伝子の変異」が発表されました。

 
割合は前者が60%~70%。後者が10%~20%と言われています。残りは現在でも不明とされています。

 
そのため、臨床における診断は今でも次の方法がとられています。

 
子供が次のA~Eの5つの基本的な発現のうち、4つの症状が見られることです。

 
A 特異な顔貌

 
B 骨格異常

 
C 皮膚紋理異常

 
D 精神遅滞 (知的障害)

 
E 平均より低い身長

 
なお、現在研究されている事柄は原因が「MLL2遺伝子の変異」と「KDM6A遺伝子の変異」でどのような違いがあるかです。

 
「MLL2遺伝子の変異」の方が、Aについては特徴が大きいとの発表がありました。

 
次に、原因発見から我が家の遺伝子検査の結果までの履歴を振り返ってみます。

 

(2010.08.16)
米ワシントン大学の研究グループは,エクソンシークエンス法という新しいゲノム解析法を用いて,MLL2を歌舞伎症候群の責任遺伝子として同定したとNational
Human Genome Research Institute(米国立ヒトゲノム研究所)に発表した。
(2011.01.24)
本人のDNA検査(国内検査)
(2011.04.18)
両親のDNA検査
(2011.04.23)
歌舞伎症候群責任遺伝子のMLL2遺伝子とは
(2011.07.26)
我が家のMLL2遺伝子の遺伝子診断結果

  

我が家の診断結果; c.15256 C>T,p.Arg5086STOP ⇒
1つの塩基の順番が違ったことにより、一部のアミノ酸が生成されない。

 
両親のDNA検査結果は「歌舞伎症候群に結び付く遺伝子の異常は認められない」でした。

 


2. 身長・体重の成長の記録

 

height.jpg

 

weight.jpg

 

体重の変化を見ていただくと16歳から減少が始まりました。すなわち、特別支援学校高等部に入学してからです。

 

中学までは地元の公立学校の特別支援学級(古くは「特殊学級」と呼ばれていました。)へ通っていました。

 

特別支援学級の場合、担当の先生が不在の場合は目が行き届かないことを避けるため、職員室や校庭で他の先生に見ていただきました。

 

学校の先生は優しい人ばかりで、どうしても「ゆるくなる」ケースがあり、体重増加の原因の1つにもなったようです。

 

その点、特別支援学校はきちっと管理が行き届いていました。

 
身長はいわゆる低身長でした。歌舞伎症候群の低身長については歌舞伎ジャーナル第75号を見てください。

 

 
3. 脊柱側弯症の記録

 
原因は不明ですが歌舞伎症候群の患者に見られる症状で、北米のアンケート結果では全体の19%が脊柱側弯症でした。

 
脊柱側弯症の症状は、「成長が遅れる」「歩行困難」などがあげられています。

 
これを防ぐためにコルセットを誂えてきました。

 
コルセットは2003年(6歳)から装着していました。2012年3月(15歳)には身長の成長も最終段階に達し、骨盤も開いてきたので、「おそらく今回の作成が最終であろう」と先生はおっしゃいましたが・・・18歳になっても新しいものを作り、入院するまで装着しました。

 
18歳でのレントゲン撮影とその結果 

 

 
コルセットのかたどり

 

 

脊柱側弯症については、日本側彎症(そくわんしょう)学会のページで調べてください。

 
コルセット3作目(8歳から)の記録は次の通り。

 
8歳 三作目のコルセット

 
10歳 レントゲン

 
11歳 背骨のまがり上が11度、下が24度

 
11歳 六作目のコルセット

 
12歳 背骨の上の曲がりが小さくなったが反動が下に

 
12歳 市民健康館のまつりで足型測定

 
13歳 身長の伸びるスピードが落ちました

 
15歳 1年半ぶりでコルセットを作成

 


4. 歯科の受診

 
YouTubeで我が子の動画を多数アップロードしました。それらの中で最も閲覧数が多いのは「歯科」に関するものです。

 
歯の役割は

 
①食べ物を咀嚼し、吸収しやくする

 
②言葉を発するために必要

 
③「歯を食いしばる」という表現があるように、力を出す

 
などが考えられます。そのため、幼児より虫歯にならないように注意していました。

 
しかし、中学3年の時に初めて虫歯が見つかり治療しました。

 

 
その後、虫歯にはかからずに過ごしました。

 
最後に歯科検診したのは2015/02/03で、「きれいに磨けている」とお褒めの言葉をいただきました。おかげで1分38秒という過去最短の時間で医師の診察が終了しました。

 

 
参考までに、犬歯の欠歯の状況を加えます。

 
(2009.11.06) レントゲン撮影により犬歯の欠歯を確認

 
向かって左側(黄色)③がない。また、両側の⑦が歯茎に埋まっている。

 

x-ray(teeth).JPG

 


5. 眼科の受診

 
2014.07.15に眼下の検診をしました。しかし、視力検査は今回もまともにできませんでしたが、医師曰く『ほとんど見えないのでは』。本人はメガネをかけることを嫌うし、会話もできないのでほとほと困っています。

 
参考までに、2009.11.17(中学1年)の視力検査の状況を載せます。

 

コピー ~ SANY0948.JPG

 
そしてメガネを作ることになりました。


6. 脳波の検査

 
過去5年間にわたって何度も脳波の検査を試みましたが、投薬しても入眠状態に入らず1度も成功しませんでした。


7. 聴力の検査

 
2014.08.26新たに愛知県コロニー中央病院で耳鼻科の受診をしました。

 
聴力検査ですが、ABR検査を今まで6回試みましたが、検査の都度「入眠状態」にならず実施できませんでした。

 
ABR検査の目的とメリットは音が聞こえたかどうかを返事できない人に行なう聴力検査で、聴力障害がどの部分で起きているかを突き止めることができます。

 
今日行った検査は「遊戯聴力検査」の内のピープショウ(Peep Show)検査で、音が出ている時だけボタンを押すと玩具が見える装置を使って行いました。

 
その様子は↓のビデオの通り。

 

 

結果は高い音で大きな音は問題はありませんが、小さい音は反応が遅い。

 
この検査では、「両耳で音が聞こえるか聞こえないか」が分る程度です。ピンポイントでの指摘はできません。

 
本人はワル知恵が発達しているため、検査技師の顔を見ながら反応していたところもあった。どうも「カンニング」或いは「疑惑の残る」検査となった。

 
※ Peepは「覗く」という意味。

 

 
第2章 学校生活に関すること


1. 3年間の運動会於ける短距離走について

 
中学時代の3年間は普通学級と一緒に短距離走を走りました。ただし、他の生徒が100メートル走るのに対し、約50メートル走りました。

 
タイムも正式に計測していただきました。

 
特別支援学校はそういうわけにはまいりません。地区の大きな体育館の中で小学部から高等部まで一緒に運動会が行われました。当たり前のことです。

 
高等部の運動会の見学は仕事の都合で3年生の時の1回のみ(2014.05.31)。

 

 
本当は政治家や研究者にお忍びで視察してほしいと感じた。

 
理由は、障害児教育と障害児福祉について一度に目の当たりにできる。

 
ことわざでいう「百聞は一見に如かず」です。


参考までに中学2年の運動会風景(2010.10.01)。この時は創立50周年でもあった。

 
上のビデオと比較してください。普通学校と特別支援学校の運動会の違いが判ります。

  
特別支援学校は"inclusive"教育を"enclose"と勘違いしているような気がしました。

 

2. 3年間の学校公開日の様子

 
高等部1年(2013.02.20)

 
1.校内・教室の展示物紹介

 
2.体育の授業(ホッケー)

 
3.作業(紙漉きの片付け)

 

 

 
高等部2年(2014.02.19)

 
2限目 体育の授業 全員が対象 (フラダンスの演技)

 
3限目 作業の授業 手漉きハガキのスタンプ押し

 

 

 
高等部3年(2014.07.05)

 
地元の商店などを紹介する目的で、

 
①見取り図を描き

 
②新聞ちらしを切り抜き、貼り付け

 

 

何を以って進歩・成長したと判断するか。知的障害の程度毎の客観的な判断は児童相談員に聞かなければわかりませんが。

 
描く能力は小学校の低学年以降変化はないような気がする。

 
これも視空間認知の能力に欠けることが原因の1つか。

 
 
3. デイサービス


①特別支援学校高等部に入学してから障害福祉サービスの「児童デイサービス(放課後デイサービス)」の受給を開始しました。

 
内容は

 
通常の就学時は、学校終了時の15:00にサービス事業所が学校に車で出迎えます。

 

 
17:00にデイサービスが終了し、家人が事業所へ出迎える。 利用量は3回/週(火・水・木) 限度:23日/月 

 
夏休み等の学校が長期休業日の時は

 
9:00-13:00 日中一時支援   13:00-17:00 放課後デイサービス を利用していました。

 
8月は「夏休み」という特殊事情があるため、福祉サービス利用限度を通常月 7日/月から12日/月に増やしていただいています。

 
なお、「日中一時支援」と「放課後デイサービス」は同一の事業所です。


②法的な位置づけ

 
児童デイサービスは障害者総合支援法の「地域生活支援事業」に該当します。第七十七条 市町村の地域生活支援事業で支給決定されます。 


③事業の目的

 
・障害者及び障害児が、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、地域の特性や利用者の状況に応じ、柔軟な形態により事業を効果的・効率的に実施。

 
・もって、 障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無に関わらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与する。


④それでは実際の状況(動画)を紹介します。

 
利用する施設の事業者は全部で4つの放課後デイサービスと移動支援を行っておられます。

 
4つのデイサービスが合同で「おまつり」をしました。なお、名称は「○○のプール」で統一され、○○には果物の名前が充てられます。

 
利用者は適応障害、学習障害や知的障害など。

 

 
2014年は午後からのイベントとして「マグロの解体ショー&即売会」がありました。

 

 
デイサービスで何をしているかは見たことがありませんが、ゲームをしたり、歌ったりしていたようです。

 

 第3章 その他

 
①夏休みのプール登校… 2014.07.22(高3)

 

 

参考・・・中学校のプール授業… 2011.07.04(中3)

 

 

②学生生活最後の学習発表会… 2014.11.29(高3)

  

 

③地元の祭り見学Ⅰ… 2015.03.15(高3) 大縣神社豊年際


 

④地元の祭り見学Ⅱ… 2012.04.07(高1) 犬山祭

 

SANY0255.JPG

 
⑤地元の祭り見学Ⅲ… 2014.08.02(高3) 夏祭り・木曽川の花火と鵜飼い

 

 


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