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職場体験・・・療育手帳A判定への効果は

特別支援学校高等部(当時は養護学校と呼ばれていた)入学時には既に「卒業後のことを考えてください」と言われました。
そして「自立」のために「お手伝いする」ともいわれました。
「自立」とは何かと質問もしましたが、答えはありませんでした。
学校も「変な保護者が来たな」と思ったことは想像に難くありません。
これが2012年のことです。
正直この時は、「学校とは考え方が遅れたところだな」と感じました。
その理由は障害者自立支援法が施行されたのが2006年4月でした。
この法律の経緯は「措置」⇒「支援費」⇒「自立支援法」で、障害者サービスの制度が時代(主に国の財政状況)の流れの中で翻弄されてきました。
本当に障害者の生活を優先していたかは大きな疑問です。
学校教育の制度改正も自立支援法と並行して進められていたはずです。参照 歌舞伎ジャーナル第70号 別図1
他に「遅れている」と感じた理由は、すでに「何でもかんでも自立ありきではなく、個々に見合った障害福祉サービス提供の時代」ということです。
そもそも「自立」の定義もあいまいでした。
療育手帳A判定ではいわゆる自立(他人の助けなしで生活すること)は無理で、生活介護サービス受給ありきで考えてもらわなければならないと訴えていましたが、当初は学校側になかなか理解していただけませんでした。

相手側(学校側)に立って考えてみると、従来は身体障害者の養護学校で、知的障害を受け入れた経験がない。
暴論を承知で書くと、身体障害者は比較的に「手に職」を得やすい。
県の障害者向けの職業訓練校もICTであったり、職人養成系が多い。
教員の頭の切り替えがついていかなかったのでしょう。

福祉の現場と教育の現場の連携が欠如していると痛感しました。
特別支援学校と名称変更されてからは学校も変わってきました。
組織が大きいと教育者も保護者もハンドルを切り替えることが困難だということは理解できます。
今回のテーマの「職場体験」が自立のために大いに必要かははなはだ疑問に感じました。
職場体験のカリキュラムを否定するのではありません。
前提条件が時代遅れというだけです。
前にも(2017年4月22日 知的障害児にとって「五月病」とは? )で書きましたが、療育手帳A判定にとって職場体験はキッザニア東京のアトラクションと何ら変わりのないものです。


さて、テーマの「職場体験」ですが、高等部3年の6月と10月の2回行われ、それぞれ4,5日間行われました。
主人公も喜んで体験しましたが。保護者も安心したのは事実です。
卒業アルバム.jpg
   (卒業アルバムより)
いきなり体験ではなく、そのための予習も丁寧に行われました。
受け入れ側の事業者は保護者には現場を見せたがりませんでした。
当たり前のことですが、他者のプライバシーの保護など当然のことです。
(テーマ職場体験)
2014年05月27日 職場体験の下見 実習先は「就労継続支援B型・生活介護」
2014年06月15日 明日から職場体験
2014年06月16日 職場体験の初日が終了
2014年10月26日 明日から2回目の職場体験 主人公も意識
2014年10月27日 初日 主人公に感想を求めましたが・・・
2014年10月29日 3日目 1日のスケジュール紹介